イミテイション


息を整えながら、じっと彼を待つ。


しばらくして息は整ってきても、鼓動は早いままだった。



「トモ!!」


愛しい人がやっと到着した。


「遅いよ…」


直人の顔を見たら、また泣けてきた。


「ちょっ…泣くなって」


直人も息が切れているのに、必死にあたしの涙を指で拭ってくれる。


「ライブ、来てくれたんだ…」


「うんっ…」


「ありがとね」


あたしが今話したいのはそんなことじゃない。


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