悲愴と憎悪の人喰い屋敷
正体と現状
「退魔師?」

三浦をベッドに寝かせていた俺は望月が聞いたことのない言葉を発言したので、思わず振り向き聞き返す。
望月は笑顔で頷き、自分指差し同じ言葉を口にする。

「はい。彷徨っている霊を救ったり邪悪なものを浄化します」

つまり霊能力者みたいなものか。

「霊能力者とは違いますよ?」

「え!心まで読めるのか!?」

胸中で思っている事に返答されて、俺は驚き望月を凝視してしまう。
望月は驚いている俺を見て、くすくすと笑い出した。

「読めませんよ〜。大抵の人が勘違いをするので言ってみただけです」

あ、何だ…そういう理由か。
びっくりした…。

「違うって、どう違うんだ?そんな事を言われて信じろと言う方が無理だぞ」

霊能力者にも階級があるのか?
聞いただけでは本当に能力者なのか信じる事はできないしな…。
難しい顔で俺が凝視していたものだから、心情を察した望月は困った顔になる。
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