Crazy Love
「違う! 違うよ! なにを聞いてきたかは知らないけど、あの子はあなたには全く関係のない子だから! ごめん、帰ってくれるかな!」

芹は慌てるように、少しきつめの口調で早口でそう言い、こたつの上に手を掛け立ち上がろうとする。

俺はその手を咄嗟に掴み取り、彼女を見上げた。

「ちゃんと話がしたいんだ」

芹の左手を握る俺の手が震える。芹の左手からも緊張が伝わってくる。

「あ……彼女との事を心配して来たのなら、安心していいよ。私二人の幸せを壊すつもりはないから」

芹は俺の手の中からスッと自分の手を引きながら、俺の顔を見ずに言った。
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