Crazy Love

「どうして……」

突然の展開に芹は混乱しているように見えた。

落ち着かない様に呼吸が荒くなっている。

「達也は……私が自分の勝手で産んだ子なの。だから、あなたが達也に対してなにか責任を感じる必要はないし……いきなり彼女と別れて、簡単にそんな事言われたって困るよ」

俺の意思を感じ取ってくれたのか、先程とは違った静かな口調だった。言いながら彼女の目にうっすらと涙の膜がかかり始めるのを感じた。

「簡単に決めてきた訳じゃない。俺なりに真剣に考えたんだ。このまま彼女といたいのか、あなたと達也くんといたいのか……でも、何度考えても俺はあなたと一緒に生きて行きたいと思った。理央と付き合っていたとき、正直あなたを忘れていた時期もあったけど……都合のいい話かもしれないけど、やっぱり心のどこかでは、いつもあなたのことを想ってた気がするんだ
思いつきとか、同情とかで言っているわけじゃない。俺はこれから先の人生、芹と一緒に過ごしていきたい」

そう言いながら俺は、まっすぐ彼女を見つめた。