Crazy Love
「あ、あのさ……これ」

座る位置を移動させ彼女の横に行くと、ポケットから小さな箱を出し、開いてから芹の前に置いた。

「小さいダイヤでごめん。これ、3年前のあの日に渡しそびれた物なんだ……」

「え?」

あの時の指輪とケータイ電話は、理央との同棲前の引越の時に処分しようと思った。

しかし一度ゴミ袋に入れ掛けて、どうしてなのか自分でも分からないが捨てることが出来ず、実家のクローゼットの奥に仕舞い込んでおいたのだ。

「買い直そうとも思ったんだけど、やっぱりこれを渡したくて。俺の色々な想いが沢山詰まっている物だから」

ケースから右手でゆっくり指輪を取り出し、

「左手、出して」

左手を彼女の方に差し出した。

芹は一度治まりかけた涙を再びこぼしながら、そっと俺の手の上に左手を置く。

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