Crazy Love
「……うん」

彼女はなんとなく気まずそうな表情で答えた。

自分が捨てた前の彼氏に、旦那との愛の結晶? を見られて、気まずい気持ちは分からないではない。

「あ、雑誌! 買ってくれてるんだってね。今息子さんが言ってた」

「う、うん」

「旦那さん、野球好きなの?」

「うん」

なんだかソワソワと落ち着かない様子の彼女を見て、ふと旦那さんも一緒に来ているのかもしれないという考えが頭をよぎった。

今この場に旦那さんが来たら、芹は肩身が狭い思いをしなければならなくなるだろう。

それは避けなければいけない。
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