好き。
―…
1時間後。
あっという間に放課後になった。
あれからあたしたちは5人で屋上でサボった。
途中で雄太が、
「俺サッカー部に入部してくるから~♪」
と言って走っていって、
今は屋上に4人でいる。
「雅来ないかなあ~」
急に小さく呟いたセリ。
「雅って誰」
あたしが聞き返すと、
セリは満面の笑顔で
「彼氏!簗瀬雅弘(ヤナセマサヒロ)を略して雅って呼んでるの!」
と言った。
「へぇ」
「今メールで呼んだんだけど…」
「イケメン?」
「イケメンだよぉ♪」
「いいな(笑)」
「とっちゃだめだよ!」
「はいはい」
しばらく言い合ってる内に、
屋上の扉が開いた。
「芹菜」
「あ、雅~っ」
“簗瀬雅弘”が来たんだ。
そいつがセリを呼んだ瞬間、セリはそいつのもとへ走って抱きしめた。
「なに、淋しかった?」
「ちょお淋しかったあ!」
ぅわ
セリ声変えちゃって…。
しかも彼氏もベタだな。
その人の後ろからもう1人屋上に入って来た。
「おっせーよ」
「お前が早いんだよ」
セリの彼氏の友達みたいだ。