さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
二つの体は、風さえも吹き抜けられないほどぴたりと重なりあって、
地面にひれ伏している。
もちろん上にいるのがユーリだ。
倒れた痛みよりも、背中にかかる重みが苦しい。
カマラは息を吸いたくて、
衝撃で地面に埋まった泥だらけの顔をなんとか持ち上げた。
「あ~っと。ごめん、カマラ。
大丈夫・・・じゃないよね」
わずかに胸にかかる重石が取れると同時に、耳のすぐ傍でユーリの声がする。
首筋にかかる息づかいに、カマラの心臓がどくんと大きく脈打った。
・・冗談じゃないわ。
酸欠状態の頭に、新鮮な空気を注ぎ込む。
湿気を含んだ空気を肺いっぱいに吸い込むと、
背中に乗っている男に冷たい声を浴びせた。
「とりあえず、どいてもらえるかしら?」