さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

「あは、あはは」


笑ってごまかそうとしたユーリだが、

真っ黒の顔から飛び出した、真っ白な目玉にぎょろりと睨まれる。


ユーリは慌てて飛び起きると、親切のつもりでカマラに手を伸ばした。


「ごめん、ね?」


視線に入ったその手を無視し、カマラは自分の両手を地面に押し当て、

腕立て伏せをするように、体を起こした。


「怒った?」


「怒ってません」


「うそ。怒ってるでしょ」


「怒ってません!!」


あの、そろそろよろしいですか?と二人のやり取りを制したのは、

案内役の若い兵士だった。

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