さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
差し出された明かりを受け取り、
ユーリは会話を数拍前までもどして、あぁ、と理解した。
「レイラの父親からは何も聞いてないよ。
けど、カマラから父親がやったと聞いたんだ。
理由までは知らないと言っていたが」
本当は、理由も知っているのだろうとユーリは思っていたが、
そこまで追求するのはかわいそうに思えて、わかった男を演じた。
「では、ここでまず二手に分かれよう。
二人は階下へ降りる方へ向かってくれ。
私は、王の部屋がある方角へ向かう」
「わかった。あぁ、それと」
「わかっている。カマラと言ったな。
見つけたら剣は向けずにお前たちの名前を出して話し合ってみる」
「よろしく」
3つの光がそれぞれに分かれ、遠ざかった。
それがレイラにとって、希望の光たりえるのかは誰にもわからなかった。
(つづく)