さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
ユーリはげんなりしたように眉尻を下げた。
「なんでそうなるわけ?ていうか、地下道のこと知ってたのか」
「行ったことはまだないが、
途中から造りの違う道があったから、場所と方角からあれが外へ通じるのだろうと予測していただけだ。
城にいた私と違って、お前らはレイラの家族を助け、姉を連れて来たと言ったろう。
それなのに地下通路の事を知っているということは、誰かから教えてもらったということだ。
レイラの姉は7つ上だと聞いている。
警戒の厳しい城の中からレイラをさらうのは不可能だ。
となれば、父親がレイラをさらったのでは、と普通思うだろう。
逆に言えば、地下道のことを知っていたからこそ、
いとも簡単に王女をさらうことができたと言える」
火をおこす手を休めることも息を切らせることもなく、
サジはあっという間に部屋から失敬してきた燭台で、3つの手燭を用意した。
「で、質問の答えは?」
サジの無機質な声に、あんぐりと口を開いたユーリは、質問ってなんだ?と思った。