さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
・・だめだこいつ。自分の気持ちに気付いてない。
どう説明すればいいのか、心の中で嘆息する。
自分のことを例にあげてみればどうだろう。
ユーリは先に自分の気持ちを打ち明けてみることにした。
『俺さ、明日求婚しようと思ってるんだ』
『お前の理想は、はにかんで微笑むようなおしとやかで可憐な女じゃなかったのか?
カマラはずいぶんと遠い位置にいるようだが』
『いいんだよ!理想と現実は違うんだよ!』
誰に求婚するかも言っていないうちから言いあてられて、
ユーリはぷっと頬を膨らませた。
自分の気持ちには自覚がないくせに、なんだって人のことはよくわかってるんだ。