キミに極上の恋物語を
猛獣に食べられる直前の小動物の気持ちが、よくわかった気がする。
私は力を抜かれたように、そのままグラウンドへと足を運んだ。
目の前では斗真くんが、嬉しそうにボールを追いかけてる。
「っしゃ、行くぜー」
つまり私は、なんなんだろう。
自惚れちゃっていいなら、この先のことを小説に書いてみようかな。
いつかの願いを込めてみた、そんな先の二人の話。
「華ー」
振られた手に、誰にも気付かれないくらい小さく振り返して。
私は携帯を開くと、書きかけだったページを捲ってキーを打ち始めた。
読んでくれてる相手がいると思うと、小説の中だっていろんな勇気が必要になる。
でもそれを乗り越えてたくさんのことが伝えられたら、現実の世界でも少し前に進めるんじゃないかって思うんだ。