HIGH-WEST
「仕事だ」
二人が談話室に入るなり班長のヘビが言った。すでに二人以外の班員−イヌ・トラ・ヒツジ・ジュゴン−は集まっていた。
「で今回は何の任務なんや?」
緊急に入った仕事である以上、護衛任務でないことは明白だ。トラが尋ねると談話室の真ん中に地図を広げながらヘビは説明した。
「カンガルーのとこから救援要請があった。あいつらの場所はここ」
と蛇が地図を指差した。
「疾風谷か…」
「なんでそんなとこに!」
疾風谷は不規則に突風が吹きあれる。このリハーヌ山の難所だ。
「知るか。とにかく怪我人も出てるらしいから気ィつけんと」
「りょーかい」
いまいち緊張感の欠けるニワトリの返事にイヌが冷ややかな視線を向けた。