ハニードハニー
『ちょっと聞いてんのか? 雛ー』

「……何? 蓮兄」


 この詐欺まがいの電話をしてきたのは、同じ高校にいる2つ上の私の兄だった。

 イライラしている時に、まったく空気が読めない。


『そんなツンツンすんなってー。お兄ちゃん悲しむぞ』

「あ、今日は帰って来ないのね。分かった。ちゃんと戸締まりして早めに寝るよ。それじゃ永遠に帰ってこなくていいよ」

『ああ悪かったお兄ちゃんが悪かった! だから切らないで!』

「なんなの? 今日はお弁当忘れてきたから購買に行かないといけないんだけど」

『そうそれそれ。昼飯ないと思ってさ』


 ……久しぶりに空気の読める兄らしい。
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