ハニードハニー
 横道に入ったところで一台の車が止まっていた。

 高級車ってこういう車のことをいうんだろうと思う。

 自然に歌うのをやめた。

 もしかしたら聞かれたかもしれない。

 そう思って車を通り過ぎようとしたら、突然、車の黒い扉が開かれた。

 そこから現れたのは、髪の長い女の人。


 すごく、綺麗。


 そう考えていたら話しかけられてしまった。


「こんにちは。お嬢さん」

「え、え、あ、こんにちはっ!」

「あなた、とても楽しそうに歌うのね」


 確実に聞かれてしまっていた。
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