特別保健委員会
「いや、あの…本当、すみませんでした。悪気は、なかったんで、その勘弁してもらえないかなー、なんて…。」
「馬鹿言わないでよ。恥かかされたの、私だけでなんか帰さないから。歯ァ食いしばんなさい。」


鋭く言い放つ先輩の目は、本気と書いてマジと読む。
雲行きが危うくなってきたのを肌で感じた。


このままじゃ、ヤキをいれられるんだろうか。
私の人生初ヤキになってしまうんだろうか。


いや、でも先輩の愛が破綻したのは、私の所為かもしれないし。
覚悟を決めなければならないのかもしれない。


そう思って目を固くつぶった。
その瞬間。


ばこんっっ


先輩の平手やゲンコツにしては、あまりに大きすぎる衝撃が、

私の頬ではなく頭を襲った。



思わず、目を開ける。

目の前には、手を振り上げたまま固まった先輩とその友人の呆然とした顔があって。


「悪い、そっちにボール、」


叫びながら遠くから駆け寄る足音が聞こえた。
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