闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
持ち手をゆっくり握ると、その大きく開けられた口の中に人差し指を入れた。
「っ…… 」
一瞬ルキアの顔が歪んだたと思ったら、扉が大きな地響きを立ててゆっくりと開いた。
私がポカンと口を開けてルキアを見ると、赤く滲んだ指先をペロッと舐めた。
血……?
「行こうか 」
その様子を見てもケイトは平然としていた。
ヴァンパイアの世界では、普通の事なのかもしれない。
その奇妙な儀式のような光景に、不思議に思いながらも足を進めた。
中は広い通路のようになっていて、周りの壁には肖像画や鏡などが飾られている。
灯りは付いているものの、薄暗くて正直不気味だ。
ヴァンパイアは暗いところを好むからなのかな。
「ぶーっ! 」
ふらふらと歩いていると、突然行く手が阻まれ、私は目の前の背中に顔をぶつけた。
「ちょっと、急に止まらないでよ 」
鼻を抑えながらルキアの腕を掴んだ。