月の満ち欠け 巡る星々【詩】

*水面と深海

「水面と深海」


一筋の光と水面の泡

  小瓶の中に浮かぶ心

沈みきらない黒い輝き

 誰がすくってくれるというのか?

すくいなど とうの昔に消え失せた

 その目に何が映るのか

暗き常世(とこよ)のその中に

 輝く光は未だ遠く

空に伸ばした手には虚しく

 からからと空回り

すぐ側に 掴めるものなど

 暗く澱んだ瞳には映りもしない

否 掴めるものがあれども

 確たる形が欲しいのだ

そんな震える体に
 冷たく何かがしたたり落ちる

ああ そこにあるきぼう

 いつのひか

わたしにそれが与えられるでしょうか


 2010.6.14
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