月の満ち欠け 巡る星々【詩】

*紫陽花

【紫陽花】



 仰ぎ見る空は色を変え

雲の形を変え

それでもずっと頭のうえにある

 多くのことが

めまぐるしく目の前を通り過ぎ


 傷つくことも

傷つけることも心に積み重なって

私の人生を満たしていく


 あなたとともに歩むのも

わるくはないなと

梅雨の始まりを告げる小雨を眺める


 すっかり白くなった髪に

年月の移り変わりを噛みしめて

まるで紫陽花のようだねと

わたしは小さく笑った



2016/05/27
< 34 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop