月の満ち欠け 巡る星々【詩】

*水鏡

「水鏡」


ナルシス

その泉に映るは己の姿

その姿に「美しい」と言っては嘆く

映るのは己と空


彼はそれ以外を知らない

それ以外の世界を見ない


「なんたる愚行!」

1人の神が嘆きます。


彼は何も知らずに泉に身を投げた

己以外を知らずに世界を終らせた


神は美しかった彼を花に替え。

今でも彼は嘆いているのだろうか


己の美しい姿に?


2010.3.19
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