花よりも美しく
「・・・・・・その花、もう捨てた方がいいんじゃないか?」
「あ・・・。お帰りなさい」
帰ってきた忍の姿に、月子は戸惑いながらも笑って返す
「・・・た、ただいま。・・・その花だけど、枯れてるし・・・・・・」
「いいんです。綺麗な花を、飾りたいわけではないので」
「・・・・・・そうか。なら、何も言わないけど・・・」
気まずい空気に、月子は思い出したように蛇口をしめる
「もし・・・。もしも、姉が戻って来たら・・・ッ」