花よりも美しく
最後の方は小さすぎて、月子には聞こえなかった
「仕事は済んだから、帰ろうと思ったんだが・・・」
「はい?」
「泊まってこいとの、お祖母さんからの計らいで、旅館を予約したらしい」
「そう、なんですか?」
頷く忍に、月子は戸惑う
「えっと・・・」
「とりあえず、旅館に向かおう。仕事を済ませてから帰るのも、実際キツかったわけだし。丁度良かったのかもしれない」
忍は歩き出し、その後を慌てて月子は追った