花よりも美しく


音をたてないように、ゆっくりと離れへと帰る

誰にも会わずに、自室の前まで来ると、騒がしい足音が響いてきた


「な、何・・・?」

「月子は帰って来たか?」

「ご、ごめんなさい!」


会ってすぐに、月子は地につきそうな程、頭を下げる


「弁解なら後で聞く!病院へ行くぞ」

「え・・・?」

「・・・・・・茅子さんが、お母さんが亡くなった」


──────?


耳に響く声が、嘘みたいに、何度も頭の中を駆け巡る


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