花よりも美しく


二十歳になっても、見る世界に変化はない

園村 月子ではなく、日野 月子に戻った彼女は、父と姉と甥っ子と、穏やかな日々を過ごしていた

大学へ進学し、結婚していたという事が夢のような、当たり前の日々


「月子、朝よ。起きなさい」


以前のような一戸建てではないマンションではあるが、一人部屋であることに違いはない


「今日は休講だから・・・」


ベッドの中で寝返りをうって、月子は起こしに来た姉に答える


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