花よりも美しく


「いいのよ。わたくしはね、貴女のおばあ様と親友だったの」

「・・・聞きました」


準備をし始める珠子の話に相槌を打ちながら、月子は戸惑う

このまま、珠子に任せてもいいのだろうか?


「彼女には、本当に助けてもらったわ。わたくしが園村に嫁ぐとき、励ましてくれたのも彼女だったわ」


美しい桜色の着物を選んだ珠子は、にっこり微笑んで、月子の着替えを始めた





珠子と共に、高級車はどこかへと向かっていく

行き先を、月子は知らない


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