花よりも美しく


ただ黙って、流れていく景色を眺めていた


「さぁ、着いたわ」

「展示会・・・?」


車から降りて、月子は到着地を見上げる


「お花の展示会をしてるのよ。園村家だけじゃなく、他の華道家の方が生けた花も展示されてて、とても勉強になるのよ」


月子の手を引いて、珠子は展示会へと向かう


中は本当に、華やかな空間になっていた

右も左も花、花、花


「これ、枝?」

「華道は花だけじゃなくて、枝も使うのよ。流派によっては、2次元、3次元を生かしたりもするのよ?」


< 33 / 361 >

この作品をシェア

pagetop