花よりも美しく
「タイトルは【花嫁】だったわ」
「あぁ、あれですか」
思い出したように、忍は答える
「月子さん、どこが気に入ったの?」
「え・・・。・・・・・・孤独に見えて、凛としていたような気が、したので・・・」
忍と目を合わさないよう、月子は答える
「・・・あんなもの、誰にでもできますよ。失礼します」
通り過ぎる一瞬の間に、目があった
とても冷たい瞳をしていて、月子はすぐに視線を逸らしてしまった