花よりも美しく
「お墓、ですか?」
「・・・・・・・・・あぁ」
低い声に、月子はそれ以上何も聞けなくなった
(誰のお墓なんだろ・・・)
知りたい気もしたが、踏みいってはいけない気がした
「しばらく、1人にしてくれ」
「・・・・・・はい」
その顔が、あまりにも泣きたそうだったから、嫌だとは言えなかった
向日葵しかないこの場所で、自分がどこへ行けばいいのか分からなかったが、傍にいてはいけないと
そんな風に、言われた気がした