花よりも美しく


「お墓、ですか?」

「・・・・・・・・・あぁ」


低い声に、月子はそれ以上何も聞けなくなった


(誰のお墓なんだろ・・・)


知りたい気もしたが、踏みいってはいけない気がした


「しばらく、1人にしてくれ」

「・・・・・・はい」


その顔が、あまりにも泣きたそうだったから、嫌だとは言えなかった

向日葵しかないこの場所で、自分がどこへ行けばいいのか分からなかったが、傍にいてはいけないと

そんな風に、言われた気がした


< 92 / 361 >

この作品をシェア

pagetop