~Snow White~『最終巻』
三原が病室にやってきた。


「よかったね。
三原さん・・・・・」



「なんだか複雑だな。」



「罰があたったんだと思います。」



変わり果てた稔の姿を
二人で見ていた。



「美春さんと幸せになってね。」



「これから
どうするんだい?」


「とりあえずはもう少しここにいる。」



「吉沢のとこに行かないのか?
雪湖ちゃんだって幸せになる資格あるよ。」




雪湖は静かに首を振った。



「私にはないです。
トモにはきれいなままの私でいたかったから」


「そんなこと気にするわけないよ。
そんな子と付き合ってる子は
たくさんいるよ。
好きならいいじゃないか。
そんなこと気にする時代じゃない。
それに雪湖ちゃんは事故だよ。
事故でいいじゃないか。
大事なのは
お互いの気持ちだろ?」



「ありがとうございます。」




「何かあったら
連絡して、相談にのるよ。
安心して、一人じゃないからね。」



三原は病室を出て行った。
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