~Snow White~『最終巻』
「その結末は まちがってるよ。」


雪湖の後から声がして
驚いて立ち上がった。


「それは 違うな。」

慌てて後を振り向くと
そこに立ってたのは


智久だった・・・・・・・。



「雪湖、いつから勝手に話を変えたんだ?
だから 俺たち一緒にいられなかったんだな。」


優しく微笑む智久に
雪湖は夢を見てるようだった。


「王子は 逃げる白雪姫を
絶対に離さないと誓いました。
離れてる時間がどんなに王子の心に
愛を溢れさせたことでしょう・・・・。
愛してる 愛してる
想いはつのるばかり・・・・・
どんな困難にも王子は立ち向かって
姫をこの手にすることを誓いました。
二人は運命の糸であの出会いの日から
ずっと結ばれる運命でした。
途中幾度もからまったり
切れかけても
二人の愛は本物だったから
糸は間違いなく二人をつないでいるのです。」


智久の目から
涙がスーーッと流れおちるのをみて


雪湖はかかっていた魔法が
消えて行くような気がした。
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