― 君 色 星 ―





「確かにそんな家、飛び出したくもなるよなー」





俺は両腕を上に伸ばして伸びをしながら香織に軽く微笑んだ。





「…カズくん、分かってくれるん?」





香織がクリクリとした瞳で俺を見てくる。





「いや、俺は香織に比べたら本当に平凡な家庭で育ったから、完全には香織の気持ちを分かってあげられないと思うけど……」





そこまで俺が言うと、香織は目を伏せた。





「だけど、本当に『偽善の愛』か確かめる方法はあるよ」





俺が最後に一言言うと、香織はパッと顔を上げて、俺のことを少しうるんだ瞳で見つめてきた。














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