何色?キミ色、恋の色。 ①
「あぁ、ごめん。今日は龍弥と約束してるから。」
「…知ってるよ?。知ってて言った。」
…?何言ってんだか?。湧君最近おかしいな。
こういうのは相手にするな。そう龍弥は言うから。
「ふーん。じゃ、私はこれで。」
そういうと私の腕をぎゅッと掴んだ。
「ッ…。痛いんだけど。」
かっこいい顔してよくやるよ。湧君。って!。
私何言ってんの??。
「龍弥からの伝言伝えるわ。」
「…伝言?。」
「うん。龍弥、はっきり言ってお前みたいな女めんどくさいんだってよ。」
「嘘だ…。龍弥はそんな事言わないもん。」
そう言うと湧君は鼻でふッと笑った。
「さぁ、どうだかな。分かんねーよ…。」
「あんたに関係ないから。」
私はそう言って思い切り握られていた手を振り解き
走って逃げた。
「最低…」
私はそう思った。もう湧君とは関わりを持たないことにした。
あんな奴が同じクラスだと思うと怖い。



放課後。ホームルームが終ると廊下では龍弥が
待っていた。
「ごめん。待った??。」
『嫌ー。大丈夫。ホームルーム長いな。』
「そうでしょ??。もう疲れた…。」
『これからだろ?ほら行くぞ?。』
そう話しながら玄関まで向った。歩いてると見覚えの
ある男が立っていた。
「おい。龍弥!!。」
『…あ??。』
そこには湧君が居た。ジーっとこっちを
見つめた。
「華那とデートする約束したんだけど取らないでくれる?。」
『は?。てめー妄想もいい加減にしろよ?。』
「約束したんだよ。さっき。ね、華那?。」
…してないよ。してない!!。
何ソレ…。そんな話もしてないからッ…。
「…してない。何その話?。」
すると湧君が私を思い切り睨んだ。
「酷いなー。華那も…龍弥の前ではいい子ちゃんですかぁ?。」
バカにした言い方で問いかけてきた。
『おい、調子にのんじゃねーよ。華那行くぞ。』
「あッ!うん…。」
そう言って龍弥は私の腕を強引に引っ張った。
すると、大きな声で湧君が叫んだ。
「華那はもらうよ?絶対ね…。」
そんな事言う湧君を私は後ろから見つめてた。
『華那…気にすんな。華那は渡さないから。』
「当たり前でしょ?私も行く気なんてサラサラないからね?。」
『良かった…じゃー行くべ…?。』
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