正夢、誤夢
(なるほど。)

佐奈もこの仕組みには、感心したようだ。しかし…

(めっちゃ危険じゃん…!)

そう。そうだ。脳に刺激なんて危険すぎる。

『由紀、言いにくいんだけど…』

『わかってる。』

『え…』

(じゃあ、使うの控えるかな?)
『じゃあ…』
『貸して欲しいんでしょ?』
ニヤニヤ

『…はっ?』

うんうんと頷く由紀。
『ったく、佐奈は素直じゃないんだから。てか、ツンデレか?もう少しデレの部分を出さないと』
『いやいやいやいや!どうしてそうなるかな!?』

『え?違うの?
まっ、いいや。とにかく明日の昼くらい佐奈ん家行くから!どうせ美佐子さんにも頼まれてるんでしょ?』

ぐっ。それは図星だ。

『やっぱりね。美佐子さん、こういうの好きだもん。
とりあえず明日持ってくって伝えといて!』

『か、かたじけない…。』

『いいってことよ。代わりに明日の昼はオムライスでよろしくっ』

『りょーかい』


…ちゃっかりだ。
うたの母と由紀に血の繋がりがないのが不思議だ、と思わざるをえなかった佐奈だった。


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