現実アクションゲーム
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ゴトゴト……


電車が揺れる。車両内には人はほとんどなく、蓮は腕を組み大股を開いて七人掛けのイスに座っていた。


向かいのイスにはハゲ頭のサラリーマンが座っている。何やら、タメ息をついているようだ。


一体何のために生きているのか……そんな人生で、楽しいか?


右手には女子高生が、恋愛話を楽しそうにしている。たまに耳に留まるゲラゲラと言う笑い声。


お前ら、バカにしか見えねぇぞ。


窓から見える外は相変わらず見慣れた景色。


イラつくほどテカテカの太陽。もううんざりだ。


上城蓮、22歳。高校卒業後、大学に行ったわけでもなく、5年ほどブラブラしていた。


特に夢もなく、毎日をただ単に生きてきた。唯一の趣味と言えば、武道をすること。10歳の頃から合気道と空手に通っていて、今も続けている。


だがそれを職にするほどの実力はない。しかし中途半端にプライドが高く、ダサい職には就きたくない。


毎日コンビニのバイトに行って生活費だけを稼ぎ、なんとなく生きている日々を続けている、典型的ダメ人間。


こんな自分を変えたいとは思っているが、これと言って変える機会もチャンスもない。


「はぁああ……」


蓮は大きなタメ息を一つ漏らすと、眉間に皺を寄せて肩にかかりそうな茶色の髪を左手でワシワシと掻き毟った。


そのとき、一人の女性が蓮の隣に座った。
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