現実アクションゲーム
「ぐっ!」


拓馬は吹き飛ぶと、片ヒザをつきながら体重を剣で支えた。


そのとき、蓮がハーディンに切りかかる。


ザン!ザン!


左肩を二回切った。ハーディンのHPが20削れる。残り、580。10ずつだが、少しは役に立ちそうだ。


そのとき、蓮の体が吹っ飛んだ。


「え?」


何が起こったのかわからなかった。


頭上を見ると、HPが10になっている。


どこかを攻撃された。


少しも見えなかった。


だが、90も減っている。


「おいおい……」


次に向かって行けば、おそらく殺される。


心臓がバクバクしてきた。ヤバイ……


拓馬のHP45。ハーディンはHP580。蓮はHPたった10。


どう考えても、負ける。ダメだ。負けることは、許されない。


二葉が敵なのか、どうしても知りたかった。


こんな気持ちで、終わりたくない!


「あ……」


一つだけ、勝つ方法があった。


蓮はポケットから、金色の草を取り出した。


そう。これを、拓馬に使えば、多分クリアできる。


「えっ、ちょっ……」


でも拓馬に使ってしまえば、意味がない。


二葉が生き返らない……人間であるはずの二葉がこのまま死んで、拓馬と蓮が生き残る。


CGだけが生き残る……。


ダメだ。復活草は、拓馬には使えない。


二葉が、味方なら……何も悪くない、普通の女の子だったら……助けたい。どうしても。


だとしたら、やはりこのままどうにかして倒すしかない。それしか、方法はない。
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