現実アクションゲーム
「何で、出れねぇんだよ?」


「それは、知らねぇけど……」


「出れなくなったら、ドアぶっ潰してでも出りゃいいんじゃねぇのかよ?」


「まぁ……」


「ごちゃごちゃ言ってる時間ねぇんだよ。二葉を見ろ、あとHP11だ。行くぞ」


一足先に小屋の中に入る蓮。それに続く二葉。


「あ、おい!待てよ!」


その後に、しぶしぶ直樹も続いた。


全員が小屋の中に入ると、蓮は毒消し草を手に取った。


「……で?これ、どうすりゃいいんだよ?」


直樹に聞く蓮。


「飲ませればいいはずだ」


蓮は二葉に毒消し草を手渡すと、二葉は草をちぎって少しずつ口に入れた。


その途端、HPの色が元の薄緑に戻った。どうやら、毒が治ったようだ。


「さっさと行こうぜ、ヤバイことになっちまう前に」


直樹はそう言うと、そそくさと一足先に出口への扉に向かった。


そのときだった。


バタン!


「!」


驚く三人。


出口の扉が、急に閉じた。


「くそっ!」


直樹は舌打ちすると、ドアノブを勢いよくつかんだ。


ガチャッ……


「……あれ?」


キョトンとする直樹。


普通に、扉が開く。


「風か何かで、扉が閉まっただけ?」


ホッとして、二葉が言った。


「何だよ、脅かしやがって……」


直樹はそう呟くと、扉を開けて外に出ようとした……


が、そこは、外ではなかった。
< 52 / 132 >

この作品をシェア

pagetop