現実アクションゲーム
……そういうことか。


つまり、ハズレに進めば行き止まり。壁に潰される。


ゲームで言う、スクロールってやつか……


「おい、どっちに行く!」


蓮が涙目で拓馬に叫ぶ。


2分の1で死ぬ。


今までより、はるかに死ぬ確率が高い。


「決まってるだろ。両方行くんだ」


その拓馬の言葉に、蓮は耳を疑った。


「は?お前、道知ってるんじゃねぇのかよ!」


すがるように叫ぶ蓮。


「知るわけがないだろ」


至って冷静な拓馬。


こいつ、何でこんなに落ち着いてられんだよ……


「この野郎!騙したな!」


怒り狂いながら拓馬の胸ぐらをつかむ蓮。


「騙していない。ここのボスを倒したら、気球が手に入る。それで城まで行ける」


「死んだら行けねぇだろうが!」


「少なくとも、一人は行ける」


そのとき、ようやく拓馬が蓮を呼んだ意味がわかった。


仲間を助けるのが目的じゃない。


どうやら、最初に拓馬といた仲間は死んでしまった。


だから、二本道のあるこの場所にもう一人必要だった。


なぜここに別れ道があることを知っているのかはわからないが、おそらくそういうことだろう。


拓馬のクリアに対する執着心は伝わったが、これでは拓馬がハズレを選択すれば、拓馬にとって蓮を助けるだけで意味がないのではないだろうか。


それを聞きたかったが、とにかく、時間がない。


壁はもう、すぐそこに迫ってきている。


覚悟を決めて、行くしかない。


行かなければ、ただただ挟まれて死ぬだけだ。
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