愛す




―――アパートの脇に止めてある慎の車に乗り込むまで3人とも無言だった。





私と勇悟は後部座席へ乗り込んだら車は発進した。



『……勇悟……』



――なんて声をかけたら良いのか分からない。



"大丈夫?"と声をかけて良いものかさえ分からなかった。



――私は親からは暴力を受けたことはない。



だから正直今、勇悟がどんな気持ちなのかなんて分からない――



―――「――吃驚した?」



隣で勇悟が申し訳なさそうに言った。



『……っ…』



言葉で答える代わりに首を横に振った。



――「……俺ね―――」


静かにゆっくりと勇悟が喋り始めた――



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