君へ贈る愛の歌
『かっちゃん・・・。あたしも好きぃー大好きだもぉおん!!』
子供みたいにぐずるあたしを
かっちゃんは優しく抱きしめた。
『うん。知ってるよ。』
優しく笑っているのがわかる。
かっちゃんの大きい手はあたしの頭を撫でてくれてて、
あいてる方の手であたしを引き寄せる。
『おめーら・・俺のこと完璧に忘れてやがんな。』
ホッとして束の間。
聞こえてきた声に二人で振り返った。
『あ・・本田先輩。』
『まだいたんですか?空気読んでくださいよ。』
かっちゃん・・笑顔だけど怖い。
毒舌スマイル。
『お前、みゅうの男?』
『そうですけど何か?』
『みゅうのこと、俺に頂戴。お前みたいに泣かせたりしないから。』
本田先輩が明らかにかっちゃんに喧嘩売ってる。
『本田先輩・・でしたっけ?悪いけどみゅうはモノじゃない。てゆか俺はみゅうを手放したりしないよ?みゅうのこと泣かせた分はこれからうんと甘やかす。だから黙って帰ってくれますか?そんで二度とみゅうに触るな。もし触ったら先輩のこれからをぶっ壊しますから。』
笑顔でそんなこと言うから・・本田先輩ポカーンってしてるよ・・かっちゃん。
『ククッ!!おもしれぇじゃん。ま、これからもよろしく~ってことで今日は邪魔者は消えてやるよ。』
本田先輩は心底面白そうだ。
ダボダボのズボンのポケットにだらしなく手を突っ込んであたしとかっちゃんの視界から去って行った。