君へ贈る愛の歌
「みゅうのこと、大好きだよ」
「じゃあ、なんでそんなこと言うの?あたしの気持ちは?あたしはかっちゃんと一緒にいたいよ!!離れたくなんかないよ!!」
かっちゃんに出会って、今までずっと一緒にいたのに。
これからだってそうじゃないの?
「みゅう・・・いいんだよ。俺だけに縛られなくても、いいんだ」
かっちゃんの顔がみえないから、かっちゃんの意図が汲み取れない。
大抵のことは分かるはずなのに、今は何も分からない。
「なんで、そんなこと・・・言うの」
あたしは、かっちゃんといたいよ。
「俺はつけ込んでるんだよ、みゅうに。みゅうは良い子だから、一度信頼してくれた俺をまっすぐに、一途にみてくれてる。俺はそれが嬉しくて、みゅうが愛しくて・・・みゅうが俺以外見ないようにずっとみゅうを囲ってたんだ。だから、みゅうは知らないでしょ?俺以外の男のこと、なんにも知らないでしょ?」
「あたしの気持ちを・・・疑ってるの?」
「そうじゃない!そうじゃないんだ」
じゃあ、どういうこと?
あたし、分からないよ。
かっちゃんはあたしを抱きしめてくれてるのに・・・なんだかとっても遠くにいるみたい。
「かっちゃんのバカ!!」
かっちゃんを押しのけた。
「あたしはかっちゃんが好きなのに!かっちゃんまであたしを突き放すの・・?」
「離れてみて分かることもあると思う。今はもう、昔のみゅうじゃないでしょ?」
「結局突き放すんじゃん!・・・もういい!バイバイ!」
病室を飛び出して、走った。
何故か外は土砂降りで・・・。
土砂降りのはずなのに、あたしの頬を伝う雫だけは生暖かいのは何故なの?