秘密の恋の始め方

「あぁ、藤本さん。幼馴染なんだって? 大変そうだね」


きらっきらの天使スマイルに天使使用のしゃべり方で挨拶をしてる奏太に、うちのクラスの女の子はでっれでれの悲鳴をあげてる。
男の子まで混じっちゃったりしてるのが、なんかヤダ。


見てらんない! と机に頭をゴリゴリ押し付けてたあたしに、隣の席の高倉くんがのほほんと話しかけてくれて。
きゅんとあたしのテンションはちょっと浮上。


「うん! 良いことなんてなんもないんだけどね! 家が隣なんだ……」

「そっかぁ、朝からみんなに質問攻めにされちゃってたもんね」


お疲れ様。といってふんわ~と労わってくれる高倉くんこそ、天使だと思う。
あたしは「高倉くん!」と思わず感極まった声を出しちゃっていた。

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