%弐分の一成人式を迎えた君へ%

実を言うとね、

お母さんは参観日に行くのが嫌だったんです。


だってね、

あなたは決して手を挙げないし、

先生に指されても、

俯いてもじもじしながら、

小鳥の鳴くような声で発表するから、

何を言ってるのか全然聞こえない。


低学年の間は気にしなかったけどね。

学年があがるにつれ、

皆が、あなたよりしっかりしているように見えてきたのです。


だから参観日に行く時は、

いつも、なんだか劣等感を確認しに行くみたいで……

憂鬱でした。



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