恋の坂道発進―2010年バレンタイン短編―
3.ライバル多し
―ライバル多し―
あれだけかっこいい塩崎先生なんだから、ライバルの数は二桁、いや・・・・・・ 三桁。
教習所の先生の中で、他にかっこいいと思われる人もいない。
ライバルの存在を気にしつつ、私は塩崎先生を指名してみる。
「塩崎先生の技能教習は来週まで満員ですね。山岡先生なら、明日大丈夫ですけど」
「結構です!!!」
山岡って……
あんなHGなんかに教えてもらいたくない。
私、決めたんだもん。
動機が不純だってどうでもいいの。
塩崎先生と仲良くなるために、頑張ってここに通うことにする。
そのついでに、免許が取れればラッキーみたいな。
技能教習をしている車を大きな窓にへばりついて見ている女子達。
指差す方向には……25番の車。