幼なじみ卒業
「ごめん。好きな子がいるんだ。
 その子の事が一番大事で、他の子以上に思えないから。」

「あ・・・わかった。」

女の子は蚊が鳴くような声で返事をして、その場から去って行った。

千秋は告白はよくされるのだが、付き合った事はない。

どんなに可愛い子からでもその場で断る。

私達、「幼なじみ」に気を遣っているのかな?

それとも女の子と付き合うのが面倒くさいだけ?

そんな事を考える。

今、好きな子がいるって言ったけれど本当なのかは分からない。

断るための理由かもしれない。

だって私はそんな事聞いた事がない。

言えないだけかもしれないけれど・・・。

断られた女の子はさっきの女の子も、今どんな気持ちなんだろう?

今、どんな事を考えているんだろう?

目を閉じて想像してみた。

でもやっぱり分からない。

私は目をそっと開いてみると、目の前に千秋がいた。

「う・・・うわあ!」

私はつい大きい声を出してしまった。

「び、びっくりした~。」

「いや。寝てるのかと思ったんだけど。」

「寝られるわけないでしょ!」

寝れるはずがない。

目と鼻の先に告白現場があるのだから。

「・・・もしかしてさっきの聞いてた?」

千秋はじっと私を見る。

私は冷や汗がつーっと頬を流れた。

千秋はそんな私を見てため息をついた。





< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop