幼なじみ卒業
私は千秋に見透かされていると思い、小さい声で答えた。

「いや~あの、聞くつもりじゃなくて。
 千秋が全勝したらおごってって言うから。
 その景品?を届けに来たわけで。
 告白を聞きに行ったわけじゃ・・・。」

私はそう言って「天然水」を渡した。

「夏希が面白がって告白を聞きに来る様な奴じゃないって事は、分かってるけど。
 全勝したのに水かよ!」

「だってしょうがないじゃん!
 財布の中は百円しかなかったんだから!」

「まあ・・・何でもいいって言ったからな・・・。」

そう言って私からの「天然水」を受け取ってくれた。

千秋は「天然水」のフタを開けて一口飲んだ。

「帰るか。」

そう言って「天然水」のフタを閉めた。

「うん。」

私は先に歩いていく千秋について行った。

千秋は自転車置場から自転車を動かした。

千秋は私や小春や真冬と違って、家が少し遠い所にある。

学校は雨の日以外、よっぽどの事がない限り自転車を使う。

「千秋後ろに乗せて!」

そしていつも私は千秋の自転車の後ろに乗る。

「いいよ。」

千秋は別に私が後ろに乗っても何も感じないみたい。

私も千秋の自転車の後ろに乗る事に特に何も感じない。

だって千秋は「幼なじみ」だし。

それ以上でもそれ以下でもない。

きっと千秋だって、私が「幼なじみ」だから普通に乗せてくれる。

現に他の女の子に「自転車の後ろに乗せて」と頼まれたって、断っている。

千秋が黙って自転車を漕いでいる時、私は気を悪くさせないように千秋に聞いてみた。
< 14 / 28 >

この作品をシェア

pagetop