ハケンSORRY!
第四章
官邸内の秘密会議室。
モニターに食い入るように見つめる男二人。

「うん、いける。何とかなりそうだ。表情、しぐさ、総理そっくりだ。こいつでいこう。」

「でも、顔はどうするんですか?ひょっとして、整形でもさせるんです?」

「いや、私の知り合いに腕のいいメイクアップアーティストがいる。日本人ではないが、口は堅い。それでなんとかいけるだろう。」

「でも、ホントに大丈夫ですか。こんなことして。このことは総理には…。」

「まだ、言っとらんよ。当たり前じゃないか。気は小さいが、ブライドの高い男だからな。大丈夫、そこはうまく説得する。大体、いちばん気にしてるのは…。」

「総理自身、ですよね。」

「そう、その通り。」

「しかし、よく似てますよねえ。」

「ネタはつまらんがな。だからこそ、今回の役にはもってこいだ。」

「ホントにつまんないなあ。つまんなくてよかった、よかった。」
< 12 / 24 >

この作品をシェア

pagetop