科学部恋愛
しばらくして帰って来た
郁斗はさっきと変わらない表情。
それを分かってたかのように
矢野はフーとため息をした。
「そりゃそうだよねー、美代結構未練なんだよね」
「未練?どういう事?矢野っ!」
平然となる矢野にも郁斗にも
状況をつかめないあたし。
未練って??
「郁斗ってさ、まだ俺と美代が部員だった時付き合ってたんだよね」
「…郁斗と美代先輩が?」
「そう。俺と莉世が付き合ってた頃」
初めて耳にする情報だった。
亜樹も凛ちゃんも、あたしも…
驚く他なにもなかった。
あたしと矢野が付き合ってた頃は
亜樹以外はほとんどの人が
知ってたはずだけど…