赤の世界
100枚程の写真が並んだ
俺の個展には
開場から少しずつ
人が入りだした。
俺なんかの個展へ
足を運んでくれる人と
俺達の愛した光景が
人に伝わっていく事を
この目で見て
俺は胸の中が熱くなり
全身が震えて――
(雪見てる…?)
(赤の世界が)
(伝わっていくんだ)
写真を見つめる人を見つめ
俺はそんな事を考えていた。
不意に目に付いたのは
母親に手を引かれた
幼い女の子。
真っ白な肌に似合う
赤いワンピースが
どこか、雪を思わせた。