赤の世界
思い出さなくちゃ。
思い出さなくちゃ。
思い出さなくちゃ。
頭の中が思考しない。
だったら彼女を探せばいい。
部屋のクローゼットを開けて
すべての中身を取り出して
どこかに彼女を思い出す
何かがないか探した。
だけど――
どうしてなのだろう。
部屋中を散らかして
足の踏み場を失くしても
彼女の欠片さえ
見つかることはなかった。
そうだ――
アルバムならどこかに。
部屋を出て
リビングの棚をかき出す。
確かここに両親が
アルバムを仕舞っていたはず。
だけど探しても探しても
アルバムすら見つからない。
(隠したの?)
(どうして…。)
結局何も見つからなくて
俺は動けなくなった。
心がどうにも渇いて
寂しくて寂しくて
涙が止まらない。